さいたま市特有の売却リスクとは?交通・人口減少の影響を解説

さいたま市で売却前に知るべき落とし穴

さいたま市の不動産売却は人気が高い一方、エリアによって価格差や売却スピードの差が大きく、“思ったより売れにくい”ケースもあります。特に、大宮・浦和周辺と郊外エリアでは需要が大きく異なり、駅距離や築年数、管理状況によって査定額が変動しやすい点がリスクです。本記事では、さいたま市特有の売却リスクを「交通アクセス」「人口増減」「マンションの築年数」「戸建ての競合状況」などから整理し、後悔しない売却戦略をわかりやすく解説します。

埼玉県内でも人気の高い「さいたま市」ですが、エリアによって売却難易度や価格差が大きいことをご存じでしょうか。
一見、安定した需要があるように見えても、地元ならではの“売却リスク”が存在します。

本記事では、さいたま市の不動産売却で注意すべきポイントを、地域データと実例を交えて解説します。

1|さいたま市は人口増加“だが”全エリアが高値で売れるわけではない

さいたま市は政令指定都市の中でも人口増加が続いている地域です。
しかし、増えているのは大宮・浦和・武蔵浦和などの一部エリアに集中しており、郊外はゆるやかに横ばい〜微減の傾向があります。

✔ 売却リスク

需要がエリアに偏在しており、地域による売却スピードの差が非常に大きい。

✔ 対策

  • 駅距離・交通利便性を軸に価格設定
  • 隣接エリア(川口・戸田など)との比較査定
  • 早めの査定依頼で市場の波を把握する

2|“最寄り駅のブランド格差”が売却価格にそのまま反映される

さいたま市の大きな特徴は、駅ブランドによる価格差が極端に出ることです。

  • 大宮駅(ターミナル):高値で売れやすい
  • 浦和駅(文教エリア):ファミリーから強い人気
  • 与野・東大宮・岩槻:価格差が出やすく売却期間が伸びる

同じ市内でも徒歩10分の差で査定額が100〜300万円変わることも珍しくありません。

✔ リスク

地方と違い、駅距離がシビアに見られるため、徒歩圏外の物件は評価が落ちやすい。

✔ 対策

  • リノベ案内・周辺環境の強みを打ち出す
  • オンライン案内や動画でアピール
  • 「徒歩圏内に見える」写真と導線紹介で印象を改善

3|築古マンションは“売却タイミング”で価格が大きく変動する

さいたま市はマンション需要が高いものの、
築25年以上になると売却価格が急に下がる傾向があります。
理由は以下の通りです。

  • 修繕積立金の値上げが多い
  • 大規模修繕の直前で買い控えが起きる
  • 中古マンション供給が増え価格競争が激化

✔ リスク

築古は「売り時を逃すと100〜300万円下落」する場合がある。

✔ 対策

  • 修繕履歴・管理状況を丁寧に提示
  • リフォーム提案付きで売却
  • 大規模修繕前の売却を検討

4|郊外エリアは“戸建ての流通量が多く競合が増えやすい”

見沼区・岩槻区・西区などの郊外型の地域では
新築戸建ての供給が多く、中古戸建てが選ばれにくい傾向があります。

✔ リスク

新築価格との比較で値下げ交渉が入りやすい。

✔ 対策

  • 価格調整より“維持費の安さ・日当たり・土地の広さ”を訴求
  • ホームステージングの導入
  • 新築との差別化提案(庭の活用、駐車場2台など)

5|まとめ|さいたま市は“売れるエリアと苦戦するエリアの差”が最大のリスク

さいたま市は県内で最も売却需要が高い地域ですが、
「どこに物件があるか」で売却結果が大きく変わるという特徴があります。

📌 売却成功のポイント

  • まずは 市内のエリア比較ができる不動産会社に相談する
  • 市場に出す「時期」と「価格設定」が重要
  • 駅距離・管理状況・周辺環境の情報を整理しておく

地元の市況を踏まえた戦略で進めれば、
さいたま市の物件は全国的にも安定した売却成績を狙うことができます。

この記事の監修者

梅本 征吾

株式会社リノバンク
代表取締役
MBA(中央大学 戦略経営研究科)

リクルートにて営業・経営企画・事業開発・新規事業インキュベーションに従事し、複数の事業立ち上げに携わる。その後、株式会社アイスタイルで新規事業開発部部長を務め、FANTAS technology株式会社では空き家事業の立ち上げを担当。

事業譲渡後、株式会社リノバンクを創業し、全国で170件を超える空き家リノベーション・売却支援を行うほか、国土交通省「空き家対策モデル事業」採択企業として行政連携を推進。
また、全国空き家対策コンソーシアムの立上げに参画して地方自治体と連携して地域課題の解決に取り組む。

登壇・掲載実績として、東京大学 不動産イノベーション研究センター、全国住環境整備事業研修会、住宅産業研修財団への登壇や、リフォーム産業新聞・神戸新聞・住宅新報など多数のメディア掲載。


川口市に20年以上在住し、埼玉県南部エリアの不動産事情にも精通。地域特有の課題と市場動向を踏まえた実践的なアドバイスを得意とする。

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