戸建て・マンション・土地の売却で違うポイント|比較で徹底解説

物件種別ごとに変わる売却の流れ・注意点・価格の特徴をわかりやすく整理

不動産売却は「どの種類の物件を売るのか」によって、必要な準備も流れも大きく変わります。同じ不動産でも、戸建て・マンション・土地では、査定の基準、購入者層、売却スピード、価格の付き方に明確な違いがあります。本記事では、それぞれの特徴を全国比較しながら、「どう売るのが最適なのか」を分かりやすく解説します。

■ 1. 物件種別によって売却方法はどう変わる?

不動産売却は共通した流れがある一方で、物件の種類によって重視されるポイントが異なります。

種類 主な買主 査定のポイント 売れやすさ
戸建て 実需(住むため) 建物状態・リフォーム歴・日当たり やや時間がかかる
マンション 実需+投資家 共用部・管理状態・立地 最も早く売れやすい
土地 実需+業者 接道・形状・用途地域 条件によって差が大きい

■ 2. 戸建て売却の特徴(建物の状態が価格に直結)

戸建ては「建物そのものの価値」が査定の大きなウエイトを占めます。
現地確認では、以下の点が必ずチェックされます。

● 戸建てで重視されるポイント

  • 外壁・屋根の劣化
  • シロアリ跡や雨漏りの有無
  • 配管・給湯器など設備の年数
  • 駐車場の有無
  • リフォーム履歴

● 戸建ては売却期間が長くなることも

建物状態の良し悪しで購入者の判断が変わるため、
3〜6ヶ月程度かかるケースが一般的です。

■ 3. マンション売却の特徴(“管理状態” が価格を左右)

マンションの価値は「建物個体」よりも管理状態+立地で決まります。

● マンションで重視されるポイント

  • 修繕積立金の残高
  • 管理組合の運営状況
  • 共用部の清掃・維持
  • セキュリティ(オートロック)
  • 駅距離・生活利便性

● 売却スピードは最も早い

全国的にみてもマンションは需要が安定しており、
1〜3ヶ月で成約するケースが多いです。

■ 4. 土地売却の特徴(“使いやすさ” がすべて)

土地は建物がないため、評価基準が明確です。

● 土地で重視されるポイント

  • 接道(幅員4m以上が理想)
  • 整形地かどうか
  • 高低差・造成費の有無
  • 用途地域(住宅/商業/工業)
  • インフラ引き込みの状況

● 条件によって売れやすさが極端に変わる

例えば、以下の土地は売れやすい傾向があります。

  • 角地
  • 整形地(長方形)
  • 建築制限が少ないエリア
  • 駅距離が近い

反対に、再建築不可・旗竿地・変形地は売却に時間がかかる傾向があります。

■ 5. 全国比較:エリアで変わる売却傾向

不動産市場はエリアによっても特徴が異なります。

● 都市部(東京・大阪・福岡など)

  • マンションの需要が非常に高い
  • 売却価格も上昇傾向
  • 土地は狭くても価値が高い

● 地方都市(仙台・広島・熊本など)

  • 戸建て需要が強い
  • マンションは供給が限定的で希少価値あり
  • 土地は広めでも価格が抑えられる

● 郊外・地方エリア

  • 戸建ては広い土地が魅力
  • 土地は売却まで時間がかかるケースも
  • 空き家化しやすく早期売却が重要

■ 6. どの物件でも共通する「売却成功のポイント」

物件は違っても、売却成功の共通項は3つです。

✔ ① 価格設定を適切にする

初期設定が高すぎると売れ残り、結果的に値下げが必要。

✔ ② 室内を整え、内見対策をする

清潔感・匂い対策・明るさの確保が重要。

✔ ③ 信頼できる不動産会社を選ぶ

物件の種類ごとに得意な会社が違うため、
得意分野を明確にしている会社を選ぶのが成功の鍵。

🔚 まとめ

戸建て・マンション・土地では、売却の進め方や価格の決まり方に大きな差があります。
物件の特徴を理解し、その物件に合った戦略を取ることで、売却の成功率は大きく高まります。

この記事の監修者

梅本 征吾

株式会社リノバンク
代表取締役
MBA(中央大学 戦略経営研究科)

リクルートにて営業・経営企画・事業開発・新規事業インキュベーションに従事し、複数の事業立ち上げに携わる。その後、株式会社アイスタイルで新規事業開発部部長を務め、FANTAS technology株式会社では空き家事業の立ち上げを担当。

事業譲渡後、株式会社リノバンクを創業し、全国で170件を超える空き家リノベーション・売却支援を行うほか、国土交通省「空き家対策モデル事業」採択企業として行政連携を推進。
また、全国空き家対策コンソーシアムの立上げに参画して地方自治体と連携して地域課題の解決に取り組む。

登壇・掲載実績として、東京大学 不動産イノベーション研究センター、全国住環境整備事業研修会、住宅産業研修財団への登壇や、リフォーム産業新聞・神戸新聞・住宅新報など多数のメディア掲載。


川口市に20年以上在住し、埼玉県南部エリアの不動産事情にも精通。地域特有の課題と市場動向を踏まえた実践的なアドバイスを得意とする。

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